アメリカ留学を考える皆様へ
アメリカ留学を考える皆様へ
英語で学習が進むと海外で勉強をしたくなります。特にアメリカは人気があります。
それで、アメリカ人の講師に説明を受けてみたのですが、非常に興味ある内容でした。
これについてご紹介いたします。
1 アメリカの大学入試事情を考察
トピックはアメリカの大学入試事情でした。
アメリカの大学に入学できる学生の能力は、どのようなものであるかが焦点となりました。
まず驚いたのは全国テスト(SATやACT)というものがあるらしいのですが、これは日本とよく似ています。しかし、その内容はまるで違っています。このテストは年に何回も行われ、一番スコアのよい結果を提出することができます。
日本の大学受験生は、有名な大学に受かるために、寸暇を惜しんで勉強をします。
また、塾に通ったり、家庭教師について学ぶと思いますが、アメリカでの事情は違います。
アメリカでは、テストの点数が高い方がよいのですが、あまり高いウェイトはありません。
それ以外のエッセイ、インタビュー、授業以外での活動成果(ディベートやスピーチ、アート、音楽等)も評価の対象になります。
エッセイでは、平均500語の英単語を使って自分のパーソナリティやこれまでの経験を描写します。それを自分だけで観察、分析して効果的に書くのです。
そして、おそらくは、この科目が最も評価のウェイトが高いようです。
アメリカの受験生の多くは、このために勉強しているようなものです。
また、家庭教師等を雇って添削をしてもらうそうです。
2 アメリカ的な面接試験(インタビュー)
その次に、インタビューがあります。インタビューを行うのは自分の受験する大学の卒業生です。ですから、その卒業生に対して大学のカリキュラムや雰囲気なども質問できます。また、インタビューを行う大学OBからは、大学で何をしたいのか、何が実現可能なのかを問われるそうです。
そして、その評価が大学当局に送られて、総合的に評価されて、入学の決定がなされます。
そのアメリカ人講師は、自分の卒業した大学を代表して、日本で何名かの受験生(アメリカ留学希望者)のインタビューをしたそうです。そして大学当局へは高い評価を通知したのですが、英語は素晴らしくできて、知識も豊富でいわゆるスマートな受験生であったのですが、すべての受験生が入学できなかったとのことです。
そのアメリカ人講師は、不合格の理由は見当がつかないと言っていました。
英語を学ぶことは重要になりますが、それ以上の何かきらめくものを提示する必要があるのではないかと推察いたします。
文章が長くなったのですが、アメリカの教育システムの奥の深さが、日本では理解されていないようです。ですから、アメリカのトップ10の大学のエリート生のレベルは、我らの理解を超えているでしょう。また、日本の教育者もそれには気づいていないのかもしれません。
3 英語学習についての補足
指導要領の改正により、2020年から小学校において活動型および教科型の英語が早期に導入され、英語の授業時間が増えていきます。これは、英語学習者にとって大きなメリットです。この機会を利用して英語のインプット量を増やす工夫が重要です。
約2000時間(英語習得の必要時間数)のインプットが標準装備であるならば、それに対する英語学習を濃密にすることです。それから「英語の発信、受信、相互理解」を重視して、偏った英語学習に陥らないようにしてください。それから、英語のコミュニケーションを楽しんでください。
2020年までには、約4000万人(1年間)の外国人訪日者が期待されていますが、英語を話す機会は急激に増えてくると思います。今後は、英語は必要言語として日本に定着していくように感じます。学生の皆様にとっては、就活においてよりいっそう要求されるスキルになることでしょう。
アメリカにおける医療通訳の倫理規定
下記の記事は、アメリカの”National Code of Ethics for Interpreters in Health Care”の翻訳です。(連利博氏監修の「医療通訳入門」から引用)
これを読んでみて、納得のいかない部分がいくつかあります。
まずプロ意識です。日本での医療通訳者はボランティアがほとんどですから、守秘義務の限度がどこまであるのか区別ができません。
1. 医療通訳者は、通訳業務中に知りえた情報は、いかなる理由があろうと医療チーム以外には漏らさないこと。
2. 医療通訳者は、発せられた言葉の意味することを忠実に、また正確に通訳する必要がある。その際には異なる文化が持つ意味も考慮すること。
3. 医療通訳者は中立を保ち、患者に対してカウンセリングやアドバイスはしてはならない。また個人的偏見や心情を持ってはならない。
4. 医療通訳者は通訳の専門領域から逸脱することなく、個人的な関わりを患者を持ってはならない。
5. 医療通訳者は常にプロとしての仕事に従事するに当たり、知識の向上に努める必要がある。
6. 医療通訳者は全ての関係者に対して尊敬の念を持って接すること。
7. もし、患者の健康状態、尊厳が冒されている場合、医療通訳者は患者の擁護者としての役割を果たすことができる。擁護するということは、コミュニケーション機能である通訳の領域を超えるものであるが、医療通訳者は患者が健康になることを最終目的として通訳をするものであるがゆえに許される。しかし、もちろん、患者に対する擁護の程度は状況の慎重な考慮および分析の結果であり、それ以外の問題解決が存在しない場合のみとする。
8. 医療通訳者は各自の知識および通訳技術を向上することに常に力を注ぐべきである。
9. 医療通訳者は、いつもの時もプロの通訳に徹するべきであり、職業倫理を考慮すべきである。
医療通訳士が知っておくべき主な日本の医療・福祉制度
日本の医療制度について資料がありましたので、紹介しておきます。
外国人の医療通訳に関して、大きな医療機関であればソーシャルワーカーが
相談にのってくれると思いますが、
中小規模の医療機関ではソーシャルワーカーが勤務していないと思われます。
こういう場合、医療通訳士のほうで把握しておくべきかと思います。
(1) 全ての外国人、すなわち不法滞在、合法滞在にかかわらず適用される。外国人登録の有無は問わない。
・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律・・・結核について外来診療に適用される第27条の2と命令・入所の場合に適用される第27条がある。
・児童福祉法第22条(入院助産)・・・出産費用に困って人口中絶せざるを得ないことのないよう、または自宅などで医療関係者の介護なしで出産し、新生児や母体が生命の危険にさらされることのないようにという目的で制定された。あくまで出産までをカバーする制度であり、出産後は適用されない。
(2) 研修ビザで滞在している人以外の全ての外国人に適用、外国人登録の有無は問わない。
・労災・・・研修中は「労働」とは見做されないため、適用除外されている。一般的に研修ビザで来日している外国人は受け入れ先で一括して民間保険に加入していることが多い。仕事中の怪我や仕事による病気、通勤途中での事故などに適用される。正社員、アルバイト、パートタイマー、日雇いなど雇用形態と関係なく、労働者は雇用主と雇用関係が成立した時点で自動的に本制度に加入している。従って中小企業でしばしば聞かれる「会社は労災に加入していないから使えない」という理屈は正しくはない。加入はしているが雇用者側が労災のための掛け金を支払っていないというのが真実であり、適用の対象となる。
(3) 日本に住居や勤務先がある人、親戚がいる人など以外の全ての外国人に適用。
・行旅病人および行旅死亡人取扱い法・・・いわゆる行き倒れに対する法律である。ただし、本法は都道府県単位の精度なので制度そのものが存在しない都道府県もあることに注意。
(4) 外国人登録をしている外国人に適用。
・各種予防接種
・市町村自治体主催の各種検診・・・事情を複雑にしているのは、市町村自治体によっては不法滞在者にも「在留資格なし」と記載された外国人登録証を発行しているところが少なくないとういう事実である。従って外国人登録証を所持しているかいなかでは不法滞在か否かを判断することはできない。所持していてもさらに表の在留資格の欄をチェックして「在留資格なし」との記載があれば在留資格はないのである。
なお外国人登録は日本の3ケ月以上在留する外国人にとっては「義務」であり、3ケ月以内であれば登録してもしなくてもどちらでもいいことになる。日本で生まれた場合は誕生してから60日以内に登録しなくてはならない。
(5) 外国人登録をし、かつ日本に1年以上滞在する在留資格を有するひとに適用
・国民健康保険・・・ただし日本語学校など各種学校の生徒である就学生については、来日時の在留資格が1年未満であっても、1年分の授業料が支払い済みあるなど、客観的に1年以上住むであろうということが証明される場合は役所の担当者の裁量で加入が許可される。
なを社会保険(健康保険)については日本人同様の基準で加入が許可される。
(6) 定住または永住ビザを取得している人のみに適用
・生活保護法
(医療通訳入門:P9~11)
フォネミック・アウェアネスのレッスン構成
フォネミック・アウェアネスのプログラムを調べてみましたが、リーパー・すみ子氏の「アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている」(ライミング編)が大変参考になります。このメソッドについての日本での著作は、この書籍だけだと思います。他にはまったく文献がない状態です。日本の英語教育がいかに酷いか納得する次第です。
「フォネミック・アウェアネスのステップ」の部分をご紹介したいと思います。(P13~14)
英語をきちんと読める子どもを、耳をきたえることから育てるフォネミック・アウェアネスは、以下の7つのステップに分けられます。
【ステップ1】ライミング:単語の終りの音に注目、同じ音で終わっている単語(例:king/ring/sing)
【ステップ2】アリターレーション:単語の始めの音に注目、同じ音で始まっている単語
(例:Sumiko sits in the seat.)
【ステップ3】シラブルとオンセット・ライム:単語の音をグループに分ける
- シラブル:単語と母音のグループで分ける(例:win/dow)
- オンセット・ライム:単語を始めの母音の前で分けて、母音の前の子音のグループがオンセット、母音とそれに続く音のグループがライム
(例:postならpがオンセット、ostがライム/greenならgrがオンセット、eenがライム)
【ステップ4】ブレンディング:音をつなげて単語を作る(例:c+a+t=cat)
【ステップ5】音の位置:始めの音、まん中の音、終りの音に注目
(例:boatなら、始めの音はb、まん中の音はoa、終りの音はtというように、区切って考える)
【ステップ6】セグメンテイション/音を数える:単語の音をばらばらにして音を数える
(例:pigなら、p/i/gという3つの音に分けられる)
【ステップ7】音の操作:単語の始めや終りの音を起きかえる
(例:manのmをpにかえるとpan、panの終りの音をtにかえるとpat、など)