医療通訳士が知っておくべき主な日本の医療・福祉制度

日本の医療制度について資料がありましたので、紹介しておきます。

外国人の医療通訳に関して、大きな医療機関であればソーシャルワーカー

相談にのってくれると思いますが、

中小規模の医療機関ではソーシャルワーカーが勤務していないと思われます。

こういう場合、医療通訳士のほうで把握しておくべきかと思います。

 

 

(1)        全ての外国人、すなわち不法滞在、合法滞在にかかわらず適用される。外国人登録の有無は問わない。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律・・・結核について外来診療に適用される第27条の2と命令・入所の場合に適用される第27条がある。

児童福祉法第22条(入院助産)・・・出産費用に困って人口中絶せざるを得ないことのないよう、または自宅などで医療関係者の介護なしで出産し、新生児や母体が生命の危険にさらされることのないようにという目的で制定された。あくまで出産までをカバーする制度であり、出産後は適用されない。

 

(2)        研修ビザで滞在している人以外の全ての外国人に適用、外国人登録の有無は問わない。

・労災・・・研修中は「労働」とは見做されないため、適用除外されている。一般的に研修ビザで来日している外国人は受け入れ先で一括して民間保険に加入していることが多い。仕事中の怪我や仕事による病気、通勤途中での事故などに適用される。正社員、アルバイト、パートタイマー、日雇いなど雇用形態と関係なく、労働者は雇用主と雇用関係が成立した時点で自動的に本制度に加入している。従って中小企業でしばしば聞かれる「会社は労災に加入していないから使えない」という理屈は正しくはない。加入はしているが雇用者側が労災のための掛け金を支払っていないというのが真実であり、適用の対象となる。

 

(3)        日本に住居や勤務先がある人、親戚がいる人など以外の全ての外国人に適用。

・行旅病人および行旅死亡人取扱い法・・・いわゆる行き倒れに対する法律である。ただし、本法は都道府県単位の精度なので制度そのものが存在しない都道府県もあることに注意。

 

(4)        外国人登録をしている外国人に適用。

・各種予防接種

・市町村自治体主催の各種検診・・・事情を複雑にしているのは、市町村自治体によっては不法滞在者にも「在留資格なし」と記載された外国人登録証を発行しているところが少なくないとういう事実である。従って外国人登録証を所持しているかいなかでは不法滞在か否かを判断することはできない。所持していてもさらに表の在留資格の欄をチェックして「在留資格なし」との記載があれば在留資格はないのである。

 

なお外国人登録は日本の3ケ月以上在留する外国人にとっては「義務」であり、3ケ月以内であれば登録してもしなくてもどちらでもいいことになる。日本で生まれた場合は誕生してから60日以内に登録しなくてはならない。

 

(5)        外国人登録をし、かつ日本に1年以上滞在する在留資格を有するひとに適用

国民健康保険・・・ただし日本語学校など各種学校の生徒である就学生については、来日時の在留資格が1年未満であっても、1年分の授業料が支払い済みあるなど、客観的に1年以上住むであろうということが証明される場合は役所の担当者の裁量で加入が許可される。

 

なを社会保険(健康保険)については日本人同様の基準で加入が許可される。

 

(6)        定住または永住ビザを取得している人のみに適用

生活保護

医療通訳入門:P9~11)